令和3年4月20日 命の足あと

スタッフブログ
この記事は約3分で読めます。
デイサービスほたる こころの掲示板

デイサービスほたるのこころの掲示板です。

私も前職のころ、遺品整理、ごみ屋敷のお片付け、入所による残置物整理…残置物と言って良いのか迷いますが…何回となくやりましたねぇ。

とにかく一人暮らしとは言え荷物は結構な量で、いかに費用を抑えるか…に必死で分別してゴミ袋に詰めて詰めて…。

たまに出てくる写真や利用者の面影を思い出させる品々…利用者の顔を思い浮かべながら袋に詰めて行きました。

どんなに思いを馳せても捨てるしかない。

物…は所詮物でしかない…消費される物でありいづれは私の手元から離れて行く。どんなに大事にしていても。

なんとも趣のある脚立

これはある入所をされた方の残置物整理で頂きました。無情にもほぼ荷物は持たず遠くの施設入所。

認知症進行によりご自宅は大変な状況でしたねぇ。

地域の役員さんや民生委員さんと整理をしました。

タンスにはきっとお洒落さんだったよねぇと思わせる着物にお洋服。

父の形見の万年筆

これは父の形見の万年筆…父は少々英語がわかる人で、この万年筆でサラサラ流れるように書く父の筆記体の英文に憧れたものです。

安物の万年筆だけれどお仕事道具と一緒にいつも机の中です。

万年筆を見ると父を思い出します。

物は物でしかない…しかし、物には宿るものがあり、その所有者であった方の面影、想い出…

脚立も万年筆も目の前にあるけれど、多くの遺品は捨てられます。

でも、どうしよう…と悩んだ時と心は遺族や私たちの人生の一部に残る、その方の生前の想い出と一緒に。

人の魂はそうやって人の心に、人生に残って行くのかもしれません。

タッキーはまだひまわりに入所して2ヶ月…「ギャー」「ブス❗」「ニャオ」…のセリフと微妙な手振りでしかご自分を表現されませんでした。

やっと最近言葉や会話が増えて来ました。

あるテレビ番組を見ながらハーモニカがふけることが発覚、早速ご家族にお願いして見たところ、ハーモニカは見当たらず。ご家族は新しく買い求めてくださいました。

新品のハーモニカ

タッキーにお見せすると

「あら!あったの?じゃあ~なにしましょか?」と。

唇をならし、吹き始める準備、手付きもよくて‼️

ハーモニカを吹き始めるタッキー

この新しいハーモニカでご自分を表現し、私たちはタッキーの想い出をハーモニカを通して紡いで行きます。

いずれ、ハーモニカは消えていく、処分されます。

しかし、ハーモニカを演奏するタッキーは私たちの心に残るでしょう。

人の思いはなかなか伝わらない、伝えるのも難しいと思います。

認知症を抱える入居者様はなおさらです。

しかし、私たちは思いを理解する努力をしたくてはいけない。

「◎$♪×△¥●&?#$!」にも思いがあるかもしれない。

トッシーの「ぼくの通帳は?」には確実に思いが…きっと望むことがつまってるはず❗じゃなきゃ1番奥の部屋から1日何回も出ては来ないでしょ?

「こうして欲しい」と言えないからこそ私たちは入居者の足あとを辿らねばならないと思うのです。

利用者理解、当事者理解は私たち福祉の現場で働く者にとっては基本です。

明後日は法人内研修会です。まずは「人を理解して欲しい」そう思いテーマを「擬似体験」としました。

お疲れのところ参加してくださるスタッフの皆さんに1つでも何か得るものがあるように…数日前からそうプレッシャーを感じつつ…ほんとはブログ書いてる段じゃない‼️準備してしまわんば!

うらしま太郎_高齢者疑似体験プログラム : : 長寿社会文化協会(WAC)2020
おもいでばこ - 家族にいちばんの写真の残し方
写真をアルバムに貼り、折に触れて誰かと楽しく振り返る。そんな時間をデジタル写真・動画でも。暮らしの中心に写真が集まる「おもいでばこ」で、新しいフォトライフがはじまります。