色々な「食べる」ことの取り組みをやってきました。
おやつ、調理、旬を感じる、昔ながらの手仕事、お弁当‥‥
「食べる」ことをテーマにした取り組みは比較的取り組みやすいと感じるのは私だけでしょうか?
人間、生まれた時から生きるために「食べる」作業は欠かせません。食べてきたから今日がある。
写真のおひとりおひとりを見るにつけ、普段の沈んた表情や姿勢とは違うねと感じる方ばかり。
いかに「食べる」ことへの意欲や関心が高いかが伺えます。
しかしながら残念なことに7月にオープン予定のグループホーム風の丘たかきには厨房ができる予定です。
そこでは集中調理を行います。
皆さんの眼の前から食事を作る匂い、音、調理スタッフの慌ただしさがなくなるのです。
いくら人が作るとは言え目の前から諸々が消えてしまえば、病院の食事と何ら変わらない。
本来グループホームでは皆で献立をたて、買い物をして一緒に作る‥‥そこに生活がある、そんな生活ができることに価値がありました。
長く入居しているうちに重度化して調理作業ができなくてなってきた‥‥
違いますよね。9人全員が重度化するわけじゃない。入居者は入れ替わる訳で。
できることを取り組む。毎日毎食を皆で作る訳でもない。
集中調理には経営上、コスト面、衛生面のメリットしかないと私は考えますが皆さんいかがでしょうか?
グループホームの価値がさがることをあえて行う。悲しいですが仕方がない。
世の中こんな話はたくさんありますよね。
何十年、何百年かけて育ってきた山をいとも簡単に数ヶ月で住宅地にしてしまう。
海が汚れる、生態系が崩れるとわかっていても堤防は作られた。
そこにはそれぞれデメリットに超えられるメリットがあったからと思いたい。
メリットがあったから‥‥デメリットを人にとってメリットに変えるものにしてきたから変わることを認めて来たのだと思います。
人の生活、社会はそうやって進化?してきた。
グループホームの「食べる」ことは今回変わります。
この変化をケアの進化に変えられるかどうかは私たち次第です。
デイたかきの定例おやつレクに手作り誕生日ケーキ。
グループホームのみんなで調理の日。
デイほたるのぬっぺ汁の日におやつレク。
旬の手仕事。
「‥‥あら?何で今日は食欲なかと?」
「歯の痛かとさ~。」
「ならば、お粥にしよーかー?まっとかんね、お粥にしちゃるけん!」
スタッフがその場で手早く対応できるのも目の前で調理しているからこそ。
「食べる」生活を‥‥ただお腹を満たすだけでない「食べる」生活を集中調理になってもいかに残していくか。
匂い、音、調理作業の慌ただしさ、味見の楽しみ、材料へのこだわり、我が家の味、郷土料理、献立にまつわる家族の思い出‥‥
全てひっくるめて「食べる」生活であり、「食べる」という人生の一部だったに違いない。
入居者様から「食べる」生活を奪うことなく、グループホームの生活の中に「食べる」生活が継続できる仕掛けと取り組みを考えて行きたいと思います。
⑦食の質の向上に向けた取り組みを新たに行います。(当期経営計画)
新たな取り組み‥‥まずは今、何ができるだろう、今出来ていること、更に発展させるには‥‥
出発は常に入居者様。入居者様ひとりひとりにとって「食べる」生活とは?
新たに考えることはないのです。「食べる」生活は止まることなく続いているのだから。