お彼岸を前に我が家ではベラドンナ・リリーが咲き始めました。
我が家のベラドンナには義母の思い出があります。
義母は平成26年に90歳で亡くなりました。亡くなる数ヶ月まえ、畑にある球根を掘り起こして欲しいと。庭に移して部屋から楽しみたかったようです。
私は全てを掘り起こしましたが、義母は全てを植えることなくその年の夏に亡くなりました。
亡くなる10年前に肺がんの診断を受けましたが、治療はもちろん、検査も受けなかった。ギリギリまで自宅で頑張り胸水による呼吸苦に耐えきれず「病院に連れてって」と。病院に二週間ほど入院したでしょうか、最後は麻薬で眠り、子供、孫、ひ孫に囲まれ亡くなりました。
ちょうどお彼岸の頃に忌明けの法要、客間に飾ったベラドンナ・リリーと客間から見える庭に咲くベラドンナ・リリーをみんなで眺めて、何故我が家に咲いているのか、香焼のあちこちの庭に咲いているのか・・ベラドンナの話から義母の思い出話・・昔話に沸いたことを思い出します。
もう1つの記憶・・昨日、以前お世話になっていた地域の民生委員さんから退職して以来はじめてお電話を頂きました。私がお分けしたベラドンナリリーの花が咲いた。私を思い出してくださったとのこと。また、私がお手伝いしたケースの方とも再会し私がどうしてるか電話してくださったと。
この花が記憶を甦らせてくれました。
ふとしたことをきっかけに記憶は甦ります。認知症になると記憶障害が起こります。しかし、全く残らない訳ではなくその時抱いた感情は残ると言われています。辛い、怖い、嬉しい、楽しい・・。似たような体験があるとなんとなく辛い体験ならネガティブになったり、嬉しい体験ならポジティブに行動できたり、体験以降の行動に落ち着きが見られたり・・。
認知症の方々の楽しい記憶の引き出しにひまわりで過ごした記憶がたまって欲しい・・ひまわりの記憶か嬉しい、happyな記憶になって欲しいと願うのです。
ベラドンナリリーはヒガンバナ科、田んぼの畦道に赤く彼岸花が咲き始めました。
ベラドンナリリーを育ててみませんか?庭の隅っこにでも球根をひとつ・・義母が育てたベラドンナの子供が高来でも花を咲かせ人を和ませれると、花好きの義母も空から微笑んで見てくれると思います。
育ててみたい方、どうぞお申し出ください。球根をお分けします。