令和5年7月9日 想いは彦星、織姫よりも深く・・・

スタッフブログ
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 各事業所、毎日?ではありませんが取り組みが始まってます。

 個別の取り組みてあったり集団レクリエーションであったり。

 各事業所計画的に?進めて頂いてると信じています。

 レクリエーションもしくは企画専用の伺書を作らせて頂きました。

 ほぼ通常の伺書と記載内容は変わらないのですが一項目、これまでは求めなかった項目を入れさせて頂きました。

 当期経営計画該当項目

 無記入の不届き者もいればナンノコッチャ?のチンプンカンプンのスタッフも居て‥‥

 悲しいですなぁ‥‥作った社長はこれをネタにひと講話やったろーぐらいの勢いだったのに。

 事業計画があるのは当たり前‥計画を立てるのも考えるのも当たり前‥‥なんですよ。

 さあ、来年は各事業所に立てて頂くそうですから、わずか数ページの紙ペラですが、私たちが日々お仕事の柱になるものです。

 先ずは見慣れましょう。そして事業運営には方針や計画があることを理解しましょう。

 さて、企業理念の次にサービス提供方針があります。内容は和敬会ホームページの冒頭に以前より掲げられているものです。

その中から一部抜粋

 ・・・私たちの笑顔や声掛けのひとつひとつが、その対価をいただいている大切な責任あるサービスであること・・・

 ・・・ご高齢者自身が「したいとおもうこと」、「関心を持つこと」などの実現にむけて活動し・・・

 ・・・心からの喜びと生きていることを感じていただくことが・・・彩(いろどり)を与えることにつながる・・・

 明日は死ぬかもしれない‥‥大好きな家を離れた自分、今に何の喜びがあろうか‥‥

 ・・・わからん、なんもたのしみなんかなか❗

 ・・やかましか!わからんことよんにょ言うな❗

 ・・なんもできん・・・

 ・・・したかことはなんもなか❗

 ケアプランを立てるためのアセスメント、これまでどんだけネガティブなセリフを聴いて来たことか。

 更に、この方に何ができるだろー?

 〇〇ができるようになる とか  〇〇したい‥‥随分文言にもこだわってケアマネジメントも変わって来たように感じます。

 

楽しみ計画書、寿司を作って食べる!

 1日車椅子に座っておられます。入所前はご自宅でずっと寝たままの生活。寝たままで食べたい時に食べたい物を食べる。目の前にはテレビが1日中ついている。

 楽しみと言えば好きなものを食べたい時に食べたいだけ食べる。

 もちろん全身の体力も機能も落ちます。何の刺激もない毎日では意欲も落ちます。しかもご高齢。

 何ができるだろう‥‥楽しみなんて食べること以外に何があるんだろう?

 そう、食べることは好きなんです、食べることは楽しみなんです。

 ナミエさんの楽しみ計画を見事作ってくださいました。ありがとうございました。

 小さい頃から習っていた日本舞踊。色とりどりの扇子は長年続けた日本舞踊を懐かしく思い出し扇子に触れることを誘うに違いない。昔のように舞えたらいいなぁ~。

 手を動かす意欲が湧いたら今の身体で楽しめることにも挑戦できるかも。

 好きなお寿司を作って食べる‥‥。

 きれいに飾られた扇子はスタッフの「きれいな扇子やねぇ」の声掛けにナミエさんはいつものように涙を浮かべます。

藤田利光作品集

 トシミツさんはインテリジェンスな紳士です。お会いした当初から発言に知的さを感じていました。

 話題が幅広く社会性に富んでいた。

 しかし、短期記憶障害は明らかでひまわりに入所されるまで私の顔、ひまわりに移らねばならないことを忘れないよう、もしくは何となく思い出して頂くように数回足を運びました。

 入所してからも身の置き所の不安は消えませんでした。未だに消えない。

 彼のインテリジェンスな人柄と人生へのプライド、自信は記憶障害による居場所の不確定から毎日不安を募らせました。

 多くを器用にこなすトシミツさん、しかし、彼の不安を解消する根拠にはならなかった。

 眼の前に用意された課題は彼に生きる自信を取り戻すだけの根拠にはなり得なかった。

 5月から詠みためた俳句‥‥詠みためたことに意味がある。俳句を詠むという日々の積み重ねだから。

 生きた軌跡がある証だから。

 自分の生きた証が公にされ、ご自身も眼の前に可視化され振り返る、みんなと振り返る。

 トシミツさん、その鼻へし折ってやろか!と思うくらいのプライドの高さ、眼の前のあなたの作品集はきっと自分にもできた。まだ自分がここに居る。人生を歩き続ける自分がいることを気付かせたことでしょう。

 ある日の夕食後、デイルームに来られて「今から字んとばせんば」と自ら準備をし取り組み始めました。

 ある日曜日、マサコさんのマンツーマンリハビリにエツコさん登場‥‥一緒にはじめました。

 エツコさんは重い障害でご自宅に帰ることができません。うつつと幻の世界を行ったり来たりしています。

 彼女が思い描く毎日とはほど遠いひまわりの生活。ふとたまに見せる個人ナンバーカードの写真と同じお顔。

 「仕方がない」ひまわりの毎日、エツコさんにとって「責任ある声掛け」とは何だろう‥‥

 幻に誘われデイルームに来られたのだろうか。

 私たちの存在が幻に勝るようになりたい‥そう思います。

 たくさん、一所懸命働いてきたトミヨさん。

 大好きな息子さん、ご家族のために一所懸命生きて来られたのだと思います。

 色々お誘いしレクリエーションにも取り組んでいただきますが、トミヨ様にしてほしい楽しみ取り組みにスタッフは悩みました。

 トミヨさんの好きなこと何だろう・・・

 ご機嫌斜めなときはお誘いしても「せぇん❗」とお断りされます。

 あっ❗毎晩のトイレットペーパーぐるぐるお仕事❕あったじゃん❕お仕事❗

 なぜトイレットペーパーぐるぐるするのか?

 う~ん、よーわからん。オイルショックの頃のトラウマ?まさかねー。

 早速デイスタッフがアタック❗大成功❗

 見事きれいに畳んでくださいました。几帳面なお仕事です。スタッフ感謝です❗

七夕の願い事がかかれた短冊、「元気になって働きたい」素晴らしい願い事ですなぁ‥‥カズエさんの芯の強さが伝わって来ますね。

 残念ながら今年の七夕は雨、天の川は拝めませんでした。

 彦星と織姫の年に一度の逢瀬はどうだったかなぁ‥‥他人事ですが心配になります。

 私たちも入居者様高齢者も残された人生の長さは違っても生きている命の価値は同じ。

 施設に入ったからたくさんを我慢しなくてはいけない必要はない。

 「したいこと」と思うこと「関心を持つこと」を見つけるのは大変です。

 しかし、皆さん良く考え取り組んで頂きました。  

 困りごとだったトイレットペーパーのぐるぐるが役割に変わった。

 昔の記憶が甦り手が動く、今の楽しみに繋がった。

 自分の中で変わっていく頭のモヤモヤ、わからないことだらけの不安の毎日でも、できること、できたことがある喜び。

 全て私たちの笑顔や声掛けのひとつひとつが、その対価をいただいている大切な責任あるサービスから生まれました。

 ・・・ご高齢者自身が「したいとおもうこと」、「関心を持つこと」などの実現は難しい。そもそもしたいこと、関心があることを見つけること自体が大変です。

 しかし、スタッフと関わりながら取り組んだその過程こそが、心からの喜びと生きていることを感じていただくことが彩(いろどり)を与えることにつながると思うのです。

 8月の定例研修会はこれまでの取り組みのモニタリングです。

 できた人、できなかった人・・・様々かと思います。

 紙上の計画だけにとらわれず、そこに思い浮かぶ入居者様、利用者様の顔は笑顔ですか?

 計画の中身や実行することだけにとらわれず、入居者様、利用者様が置き去りなることなく笑顔とhappyがつかめる取り組みを続けて行きたいと思います。

 

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