ひな祭りを迎え各事業所節句の取組みをして頂きました。
皆さんありがとうございました。美味しくて、楽しいひな祭りになりました。
スタッフの皆さんの心もちはいかがでしたか。
ほたるのスタッフから出先の私へ電話が一本
「ごまがなーい!ごまを書き忘れてました!お和えのごまを買ってきてください!」
すり胡麻があったろ?残ってたんじゃないかなぁ?
「ありませーん!できたらすり胡麻じゃなくて炒り胡麻買って来てくださーぃ!」
「みんなに胡麻すりからしてもらえるから!」
…了解です!
「冷静な頭脳と温かい心」(Cool Head but Warm Heart)
以前、ブログでご紹介したイギリスのケンブリッジ大学アルフレッド・マーシャル (1842-1924) という経済学者の言葉。
私たちは山口先生の認知症研修を一昨年より受け、昨年末より現場での実践に取り組んでいます。
アセスメントの中でも認知機能と楽しみ、趣味に当たる3点チェックシートで利用者、入居者と向き合いました。
おひとりおひとりのこれまでを知り、今を知る、予測する。
そして、これからを共に考えサポートする…目標を立てました。
様々な取組みが始まりましたね。
笑顔を引き出す、やる気を引き出す、言葉を引き出す…時には落ち込む事も。取組みに難色もあり…
B棟のスタッフさんは、いちご苗を育てる取組みをされている岡さんの気持ちを盛り上げるために、ご自分が自宅で育てる元気のないいちごの苗を持ち込んで比較させ、いかに岡さんが育てる苗が元気であるか伝えました。
もちろん岡さんはニッコリ、嬉しかったし育てる楽しみを維持出来たでしょうね。
すりごまじゃなくていりごま買ってきて!胡麻すりからみんなにしてもらえるから❗
ミツヨさんが一生懸命に胡麻をすってくださいました。
すり胡麻を買ってきたらこの作業はなかった。
いりごまは見事ミツヨさんの手ですり胡麻に変わりました。
美味しそうな「お和え」の出来上がりです。
手間をかけた分美味しいに違いない。
ケアも同じ。残念ながら現在の介護保険制度では三代介護しか介護の手間に入りません。
しかし、「すり胡麻を炒り胡麻」に変えたことでミツヨさんの役割が生まれ、美味しい「お和え」ができて、ミツヨさんの貢献度がアップ。皆が喜んだ。
ミツヨさんはきっと数年ぶりに胡麻をすった。
目と右腕ですりこ木を握り左手ですり鉢を支え。
何を考えていたんだろ?
「なんであたしが胡麻すらあかんねん」かも…
「冷静な頭脳と温かい心」(Cool Head but Warm Heart)
美味しいひな御前を食べてほしい…という温かい心と調理作業をいかに機能改善(リハビリ)と認知機能改善に活かすかと考えた冷静な頭脳
この結果がミツヨさんの胡麻すり作業なのです。
お見事でした❗
スタッフからのお願いの電話を切った後、恥ずかしくもあり悔しくもあり…しかし嬉しかったですね~。
私が気付かないところでスタッフの皆さんはこの思考回路を働かせているに違いない。
取組み計画はおひとりおひとりのためにケアする私たちの思考回路を伸ばす、張り巡らせていくものです。
文字にしていく作業は大変です。
しかし、文字にして、紙に可視化することでおひとりおひとりを俯瞰することが出来ます。
研修で学んだこと、紙に書いた取組み計画…是非継続して皆さんのhappyと笑顔を積み重ねて行きたいと思います。