令和3年1月17日 長い お別れ

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デイサービスほたる こころの掲示板

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先日、以前前職でお手伝いさせて頂いたHさんのご家族からHさんの訃報のお電話を頂きました。

昼間にご家族と面会したその日の夜に急変、息を引き取りましたと。

Hさんとの関わりは、自治会の役員さんからの相談「最近物忘れがひどかとさぁ。あんまし人を寄せ付けんし…高齢だし家族もおらんしねぇ…ちょっと様子ばみてくれんやろか」

早速、訪問すれど、いわゆる「接触困難事例」「介入困難事例」でした。

何度訪問しても門前払い、玄関先から見える家の中の様子、服装、表情、会話…明らかに認知症であることは判断がつきました。

1年はかかったでしょうか、繰り返す訪問でやっと一緒にご飯を食べる仲までになり、ケアマネさん、サービス事業所にバトンタッチ。

しかし、サービスが動きだして間もなく転倒、大腿部頸部骨折。入院、手術後リハビリ順調で急性期病院にいる間に動き回り出しちゃって、面会に行くといつもナースステーションに車椅子で座っておられました。とにかく目が離せないと。

急性期病院なので長くはおれない。通常はリハビリ病院でリハビリして在宅復帰ですが、認知症を抱えるHさんにこれ以上のリハビリは効果が難しい…、それより生活の場に戻して日常生活を送るのがベストでは?

しかし、ひとり暮らしの在宅復帰は難しい。やはりここは施設でしょ。

県外に住むご家族へ、ご家族のおられるところで施設を探しては?と提案。90過ぎのご高齢ではあるけれど、今ならまだ移れる、家族のそばで少しでも多くの面会が叶えられればとお話ししました。

ご家族は快く施設を探してくださり退院、施設入所の際は私も同行し無事送り届けることができました。

しかし、ご家族が選んだ施設ではありましたが、しばらくご家族から相談の電話。

「歩けるようになったのに車椅子に乗せられてる❗何で歩かせてくれないの?」

「面会にいくたび口の回りに食べたあとがついてる❗何で拭いてもらえないの?」

その他諸々…「何で?」の答えはどれも施設の事情…回答に困りましたねぇ~。

お医者様の中には認知症の診断を受けた時点で「終末期」とおっしゃる先生方もおられます。

死を目の前にした方々に寄り添うとはどういうことと皆さん考えられますか?

癌など死を宣告された方々を支えるなんて出来るんだろうか…

何の意味があるんだろう。

エンドオブ・ライフ協会(ELC)の小澤先生は終末期支援において「…あなたの痛みはわからない、けれどあなたが痛みでつらい思いをしていることは理解できる」と伝えることが重要と言われます。

また、ノンフィクション作家の柳田邦夫さんは11日間脳死状態の息子さんと過ごした時を「共存性」と答えておられました。

「あなたの気持ち、わかるよ 」なんて易々は言えない。偽善…とも言われかねない。

何をするでもなく、ただただいつもの生活を一緒に過ごす…1日1日を丁寧に、大事に…当たり前の日常を送れることが何よりの支えかもしれません。

Hさんのご家族は時間の許す限り面会に行かれたそうです。

特に息子様の面会では満面の笑みを浮かべたと。

施設ではあったけれど…、面会の回数も少なかったかも知れない…、しかし、1回1回の面会を大事に、丁寧にしてくださったに違いない。

認知症の方の悲しさ、辛さ、恥ずかしさは私たち健常者が抱えるそれと何らかわらない。

と同時に、喜びも、嬉しさも同じなのです。幸せでいたい。

その気持ちに共感しともに過ごす…共存していることが入居者様に伝わると不安な表情も声もやわらぐのではないでしようか。

Hさん!何が出てくるかドキドキしながら待ったお食事、大好きなLUPICIAのお茶の時間、庭の草木を一緒に眺めた時間…私はどれもあなたの日常に共にすごせましたか?

デイほたるのこころの掲示板に感謝

Hさんとの出会いに感謝すると共にご冥福をお祈りします。

一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会
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死者みとれぬコロナの残酷 脳死の息子弔った柳田邦男氏 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
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