令和6年9月14日 時を紡ぐ

スタッフブログ
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 ある夜勤の時のひとコマ、ふたコマです。

 早朝、早起きのツヨシ先生。起きるとすかさず

 「なんか、手伝うことなかねー」と声をかけてくださる。

 時間は6時、まだ誰も起きて来られない。

・・・そうだ!!

 「せんせー、外を掃いてくださーい!!」

 もちろん、やる気満々。

 いつの間に道路脇の草取りまで・・・

 ご家族には申し訳ないが、おひとりで頑張って頂いた。

 この日、夜勤明けの帰り際、ツヨシ先生上着の内側脇に何やら挟んでいる。

 キョロ・・・チラ・・・明らかに日勤スタッフの目と動きを気にしておられた。

 ハハ〜ん。

 さては出て行くつもりだなぁー。

 出て行かれてからスタッフがわーわー言うのは正直鬱陶しいので先手を打つことにした。

 「せんせー!!これなーんだ!!」

 脇をコチョコチョしながら先生に接近

 「・・・こいは、帽子さ・・・」

 ボソッと一言

 私に見つかった悔しさでしょうか。

 「せんせー!!私の手伝いしてほしいでーす。

ひまわりの裏にたくさんの紫陽花の鉢植えがあって今から水やりです。大変なんで手伝ってほしい!」

 もちろん、OK。

 丁寧に水やりをして頂きました。

 ありがとうございました。

 しばらく、目の前にある多良山系の山を眺めながらおしゃべり。

 いつも同じ話・・・

 だけれど、先生にとっては人生の大事なひとコマ、出来事なんだと思う。

 ある夜勤の出来事。

 車椅子で廊下周遊中かと思いきや、なんとミヨシさん手すりを持ってカニさん歩き。

 あらまぁー。慌ててお部屋にある歩行器を取りに行きお渡ししました。

 「・・あるけんごとなってしもーたー」

 ご自分でびっくりたまげたといったご様子。

 しばらく歩いて。

 この夜はいつもの「寝わえん」はきかれませんでした。

 ひとの生きる価値について考えます。

 ご高齢になって施設に入らねばならない人生を最期に迎えることになってしまった境遇の中でも人生をなんとか価値のあるものにしようとするお二人。

 もちろん意識の中にはそんな気持ちはないかも。

 これまでの人生がそうさせているに違いない。

 ひとの役に立つとう貢献意識。できるようになりたいとう向上心を私たちはともに喜び、支えなくてはならない。

 貢献意識も向上心も生きている価値であり証であると思うのです。

 私たちが家族の役に立っている、もっとうまくできるようになれたら・・・と日々考えることと何ら変わらない。

 それはたとえ在宅でなくても。ひとであることには変わりない。

 当たり前のようで当たり前にできない。

 他愛もない出来事であり、人生のわずかなひとコマ。

 しかし、人生はそんなひとコマの積み重ね。

 ひとコマが繋がりひとの人生となる。

 高齢者にとって積み重ねるひとコマは少ない。

 「他愛もない」ひとコマも大切にしたい。

 共感しひとコマの喜怒哀楽をともに感じ皆さんの人生にあの人あり、このひとあり・・・あの人、この人になりたい。

 生きる価値の端っこにでも良いからちょこんと座りたいのです。

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