10月5日、グループホームたかきではスタッフの研修&全体会議を開催しました。
はじめに代表よりお話
事前にお出しした宿題、NHKのプロフェッショナルを見ておくこと。
まだ視たことがない方、是非ご覧ください。グループホームだけでなく、認知症ケアの基本をずっと忠実に着実に続けられています。私たちはあらためて原点に帰り、認知症ケアを基本からはじめなければなりません。
社長から「まったり感」のお話
2つの「まったり感」がある。でも、同じ「まったり感」でも2つは違う…僕は一方のまったりに「違和感」を感じると。
なぜ違和感を感じるんだろう…
代表がそれぞれの日常を知っていて、ひとつは望んでまったりしている。しかし、一方はまったりさせられている…やることなく、意味なく座らされている違和感。
いつ行っても、変わらない構図…スタッフまでもが変わらない景色に違和感を感じていること。
入居者の望みをきいて欲しい、どうしたいのか…どう過ごしたいのか…どう生きたいのか…。
出かけたい時に行きたい所へ行く、食べたいものを食べる…僕たちにとって当たり前のことをグループホームでもできるようにして欲しい。
人は日々さまざまな「◯◯したい」を感じて行動します。ご高齢で認知症があっても必ず、したい、行きたい、見たい、食べたい、会いたいと感じられています。その「したい」を引き出してできる限り実現する。たわいもない事から実現が難しそうな事までさまざま。しかしまずできる事から積み上げて初めてみなさんの本当の生活が形作られる。それが私たちの役割。
本来のグループホームのあるべき姿にして欲しい…グループホームにはその役割があり、グループホームならできるはずと。
介護保険がスタートする前、スウェーデンで認知症ケアとして効果が認められはじめたグループホームというサービスが介護保険に位置づけられた。画期的でした。認知症ケアの切り札とも言われていました。
建物や居室などの生活環境が認知症に与える影響までしっかり考慮され、世界的に認知症ケアの根拠が認められた介護サービスはグループホームだけ。そこでしっかりと認知症ケアを実践すれば、海外にでも自信を持って紹介できる素晴らしいサービスです。
代表ご自身、本来のグループホームケアが実践できたなら、理想的な介護サービスだと今でも信じておられると。他の入所系サービスより人員も手厚く、入居者のみなさんと食事を作ったり、地域社会と繋がりを維持するための仕掛けがしっかりと制度化されている。
しかし制度スタートから時間が経過し入居者さんが重度化して本来の役割を果たせなくなってきている状況はあります。しかしそれでも私たちは求められる役割を果たすために全力を尽くさねばならない、それは認知症ケアの専門家と周囲のみなさんは見ているのですから。
後半は私がお時間を頂きました。皆さんから検討したい事例をひとつ上げて頂き皆でケアについて考えました。
食事のあと、ご飯を食べてないと訴える。ウロウロしてうるさい。
という事例。
私からお伝えしたのは、目の前に起きていることの捉え方には2つある。
ひとつはスタッフので困り事として捉える。もう1つはご本人の困り事として捉える。
スタッフの困り事として捉えると、ウロウロしたり大きな声を出されると他の入居者の迷惑になり睡眠の妨げになる。
ご本人の困り事として捉えると、ご飯を食べたことを忘れてしまう。
じゃぁどう対応しますか?
スタッフの困り事と捉えるか、ご本人の困り事で捉えるかにより対応が変わります。
そこで覚えて頂きたいのがこれ。
この方に起きていることは行動・心理症状、周辺症状と言うもの。昔「問題行動」と言ってましたね。
周辺症状=認知症ではなく、認知症にはいくつかの障害がある。「ご飯を食べてない」は短期記憶障害。ここに、ご本人の性格や環境などが作用して周辺症状が起こること、つまり環境にはスタッフも大いに含まれ、スタッフのケア次第では状態を悪化させる可能性があること…をお伝えしました。
具体的に私が見てて気付いたこと、実際にやってみたことをお伝えし、ケアについて考えて頂きました。
スタッフの困り事として捉えるとどうしても禁止用語や否定的な言葉で静止させようとしてしまいます。それは認知症ケアで1番良くないケア。
まずはご本人の行動に目を向け、訴えに耳を傾けること。
研修の翌日、早速スタッフの皆さんそれぞれ取り組みはじめてくださいました。
代表と口を尖らせながら前日の遅くまで、どう伝えよう…と語り合った甲斐がありました。
グループホームのスタッフの皆さんお疲れ様でした。ありがとうございました。
ご本人の気持ちにしっかり語りかけ、入居者を理解しようとする行動はきっと伝わるはずです。
8月、9月と全体の研修はお休みさせて頂きました。すみません。10月は開催予定です。ご参加宜しくお願いします。