今日のグループホームA棟です。
お買い物から帰って来た兄ちゃん、テーブルにお金を広げお金の勘定中。
他のスタッフに呼ばれお金を広げたまま席を立ちました。
横に座ってるフジコさん、お金が気になります。
兄ちゃんが戻ると、フジコさんに勘定のお手伝いをお願いしました。
お札を数えて❗いくらある?
いーち、にーい…数え始めると横でお節介おばちゃんが
ごー、なーな、じゅーう…
邪魔します❗
ふじこさん、あ〰️も〰️❗負けんぞー❗
皆さん、私の下手な実況中継…場面が想像できました?
笑いに、冗談も含んだフジコさんとスタッフ…
指示、禁止、静止…これらを目的とした言葉または、ケアに関する言葉とそれら以外の言葉どちらを毎日たくさん使ってもしくは発しているでしょうか?
以前ブログでご紹介した『自宅でない在宅』の著者外山義先生が特別養護老人ホームと協働生活型住宅の会話量を調査されています
特養では入居者と職員の日常会話数は、入居者一人当たり日中の12時間で2.1回、またケアに関連する会話数は17.8回。
協働生活型住居では日中12時間で入居者一人当たりの日常会話数が24.5回、ケアに関連する会話数は24.4回。
詳しい分析結果は今回は割愛させて頂きます。
詳しく学びたい方は『自宅でない在宅』をお読みください。高齢者の生活空間の大切さを学べます。
「ダメ」「あぶなかぁ」「なんでわからんと!」…子育ての頃を思い出します。
禁止用語、静止用語、指示は相手を守るためには大切な単語です。
必要な時は発しなくてはなりません。
しかし、出来ることならば発せず相手を守りたい。危なくない、叱らなくていい環境の工夫。声をかける前に見守る余裕。
加えて思うのは、ケアに関する、禁止、静止用語を越える日常会話、
我が家は息子二人、成人し私の怒号もなくなりました。逆に私が叱られる…
日常会話はきっと身の回りにたくさんあるはず。
A棟の兄ちゃんはご自分のお仕事から会話を入居者に繋げました。お見事‼️しかも会話だけじゃない、お金を数える頭の体操、何より在宅ではさわらない日はなかったはずのお金、お札を触ったのはきっと久しぶり、それを見事左手と右手を使って数えた。
わずか数分のやり取りでしたが、数分では収まらない価値があったと思います。
会話は誰にでもできる、道具もいらない、ただ会話を生み出す「仕掛け」が必要です。ネタ…。
今日のA棟にはもうひとつ仕掛けがありました。
同じテーブルに段ボールとアルミ箔で作ったナイフ。これがまたいい味出してんですよ‼️入居者さん同士のやり取りに間に入るスタッフのセリフ。
今回のA棟のお金からナイフのやり取りは私がトイレ待ちの間にあったひとこまでした。
日々はこんなやり取りの積み重ね。私たちが家に帰って家族と当たり前に会話するように、私たちがスタッフ同士で会話するように。
入居者様もここに来るまではきっと当たり前の会話があったはず。
足元に仕掛けやヒントはきっとあるはず、あなたが今握ってるそれ‼️机の上にあるそれ‼️ネタになりませんか?